『確かにその石(光)はある』それは真実の自己。魂とも言っていい。
まるで、聖書に出てくる「放蕩息子」の話のように、家出した自我はいろんなことをしでかしながら、いつかホーム《真実の自己》へと戻っていこうとする。
真実の自己はいつでも、玄関を開けて戻ってくるのを待っています。
「自分」だと思い込んでいる自分は概ねそこから分離した「自我」。
なのでそう簡単には戻ろうとはしないのだけど(笑)
いや、まずそこに気づくのにけっこう時間もかかりますね。
自我に絡まった自分を自分だと思い込んでずっと生きてきたから、真実の自分に気付き始めると、自我が必死にもがく。
「ちょ、なに!?これ(自我)はあんたが作ったんでしょ!?」って。
これが全てだと思っていた世界が崩壊するのだから、たくさんの恐れが沸き起こってくる。
これ自体もまた、自我が必死になって暴れて、「無視すんなよ!」ってもがくから。
最初はそんな自我のもがきと暴れ具合からの恐れに翻弄されて、結局また自我に戻る。
そしてまた同じトラブルや苦しみを引き起こす・・・を繰り返し。
・・・そんなことを何度も繰り返していくうちに、少しずつでも真実の自分へと戻る光が見えてくることもある。
新しい自分という、実は本来の自分としての選択をしはじめるとき
魂は、経験がしたい。
そしてその経験によって真実の自分から分離した自分が、ぐるっと真実の自分の方へ戻ってくる(調和する)
さらなる経験の旅を私たちは人生かけてしているんじゃないかなと思うのです。
そうしていっそう輝きを増した真実の自己の光は集合意識にこびりついた闇を光に昇華させることができる。
だから自我は悪いものではなくて、魂が経験したいことのために形成されたものでもあるし、真実の自己をもっと輝かせる為の物であり、元々は真実の自己から分離したものだから、自分であることには変わりないので、否定するものではないですよね。
私自身を振り返ってみると恐れの連続でした。
この世はとても恐ろしいことに満ち溢れているという恐怖から身を守り、
恐れを払いのけるために必死にもがき苦しみ、恐れに立ち向かおうとすると、
さらなる恐れによってねじ伏せられる。
恐れにねじ伏せられたのではなく、
ただ、さらなる恐れを自分(自我)が引き寄せていた。
あまりに理不尽すぎて、そう認められるのにものすごい抵抗があったし、
今でも時々、うーん・・・ってなることもあるけれど・・・。
立ち向かえない無力感、存在することへの罪悪感、
理不尽な出来事への被害者意識・・・
さらに、理解者だと信頼していた人達の死と孤独、依存・・・
自己否定、無価値観、自分の存在否定と死への渇望。
恐れはさらなる恐れを上乗せして、
怒りと悲しみと恐れを内にいっぱい抑圧したまま、
自らもまた恐れの鎧をまとった人生をすすんでいく。
傷つき、傷つけ、全てが無になってしまえばいいと荒廃した人生でした。
すべて、事実ではあるけれど、
今思えば魂にとっては自我の作り上げた実にリアリティに満ちたフィクションにさえ見えます。
しかし偽物だと言って逃げられるほど簡単ではなかったなぁと今になって思います。
まるで巨大な岩山を時には爆破しながらも掘り続けて、どこにあるのかわからない小さな(しかしとてつもなく大きな光を放つ)ダイヤモンドの原石を探していく作業のようで。
『確かにその石(光)はある』と信じられるまでにも時間と労力、精神力がいる作業なのに、さらに掘り続けて。
今は、その石を掘り当ててみたら、ものすごい大きな光を放っていて、
なんかすごい石らしいのだけど・・・それを自分があらかじめ持っていたものだと認める(受け入れる)ことにまだ抵抗が出る。
まして自信を持つのにも。
そうであるということに信頼して委ねることも。
またその石がまだまだ本質の一部なだけなのかもしれないということも感じられます。
ただ、その石を掘り当てたとき、私は自分の中にある恐れが消えていきました。
今までもたくさん手放してきたのにまだ抵抗があったことにも気づきました。
同時に、とても安心しているというか、調和にあるというか。
幸せであることを実感して、すべての見える世界が変容していったのです。
現実的には苦労もあるし、こまごまと大変なこともあるのだけど、
常に私の心の深層に穏やかな調和と光に満ちた大河がゆったりと流れているのがわかる。
それを元々持っていたことにも気づきました。
自我というのは、誕生前からのバーストラウマをはじめとして、
無意識に刷り込まれていったものだったり、
生育環境で自分が生き抜いていくために「こうしたほうがいい」と定義してしまったり、
周囲の環境からの刷り込み・思い込みによって作られていく。
私はこれを「カルマ」とよんでいます。
生育史における思い込みには、家系のカルマや民族のカルマもあるし、
伝統や歴史、習慣、文化からも作られる。
良きにつけ悪しきにつけ、私たちはカルマをまとい、また新たにもカルマをつくり、
それに絡まって自我を形成しつづけ幾重にもフィルターをまとってしまいます。
それが、真実の自分ではない心のあり方や思考パターン、感情パターンを形成してしまう・・・。
「真実の自分」=魂が物質=肉体を持つ過程から、
本質(魂)から分離を始める・・・これが『自らを分かつ』。
そしてそれは旅を終えて戻ってくる・・・というより、元々あったことに気づいていく。
形成された自我、そしてそれに絡まってさらに混乱した自我・・・それもまた、自分の一部。
自己という存在から分離したもう一つの自分。
だから否定するのとは違ってて。
どちらも自分なんだもの。・・・そう気づいていきます。
魂の望みは、経験すること。
経験して調和していくこと。
そして、最初からなんの不足もなく美しく輝いているのだと気づくこと。
そのために自らを分かつ。
元々もっていたものに気づくことがこんなに大変だったなんて!
と思う反面、
実はかなりシンプルだったことにも気づけたのでした。
私がそうであるように、すべての人、すべての命あるものの中には揺るぎない完璧な光があります。
そのどれもがユニークで、それぞれの魂の個性ある光。
実はすでにその光は私たち一人一人を導き、
時々・・・ニュースを見ていると、そうは思えないこともあるけれど、
それは三次元的価値観では思えないものは思えないよね。
だけど、私はどこかで常に信じている。
信じられる自分になったと言ったほうがいいのかな。
すべてのいのちに
『確かにその石(光)はある』
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