しばらく間が空きましたが、つづきから。まずは「メディスンマンとの出会い」
過去記事 カテゴリー『マイストーリー』
インディアン時間ーーー彼らはそう言います。
ようするにのんびりしていて時間の感覚がずれているようなことを指したりします。
インディアン時間というのはまぁいい加減と言ってしまえばいい加減。
気が向けばそうするし、気が向かなかったらそうしない・・・ということもあります。
時間きっちりの日本人。特に東京の人間からすればもうそれはびっくりするくらい。
約束したら1時間、2時間ずれは当たり前。最悪来ないこともある。
サウスダコタやワイオミングの観光地などは基本アメリカ経営ですから、きっちりしています。
しかしインディアン居留区についたらそれはほぼ無くなります。
それははじめてアリゾナに行った時にもガイドのnanaさんに聞かされていてわかっていました。
では実際に行ったらどうだったかというと、こちらから出向くことが多かったためにあまり感じなかったんですね。
・・・で、最初のメディスンマンとの出会い。
それはテント生活を終えて食事のお世話になっていたB&Bのオーナーの別宅に宿泊し始めた時でした。
朝食だけはオーナーの奥さんが作ってくれて、母屋でファミリーと食事を共にします。
なぜ、この地に来たのかをゆっくり話す時間が取れたので、スケッチブック(前回の記事『杖のようなもの』に写真があります)を見せながら、ざっと話をしていた途中。
「私の知り合いにメディスンマンがいるから、彼に会ってみる?」
好機到来!と思いました。 なにぶんホワイトサンダーは何も話してくれないし、
メディスンマンに会いたいなんて言えそうな感じでもなかったのです。
《2006年に書いた手記から》
何を思い出してもすばらしいこの旅の中で、ホワイト・サンダーとの交流と、ある夜現れたメディスンマンとの最初の出会いというのが、私にとって最も価値のある日々となった。
B&Bからメディスンマンが夜7時30分ごろに直接私を尋ねてくるという連絡をもらっていたが、正直「インディアン時間」のことを考えるとあまり当てにはできない。最悪来ない可能性もある・・・そう思ってはいたが、この日シープマウンテンに寄ってから居留区にある一番大きなスーパーマーケットで夕食の買い物をさっさと済ませてB&Bへと戻ることにした。
もはや7時ちょっと過ぎで、車を飛ばしても約束の時間に間に合うか微妙といったところだった。
しかし、帰路でB&Bのオーナーからドライバーあてに電話。
「もう来てるわよ~」と。
「ええ!?」と思わず驚いてしまった。
彼は7時丁度に現れて、B&Bの別宅の方で私の帰りを待っていたのだ。
それがグレイグラス。
ーーーーー中略 「G」はグレイグラス
再び少し目をつぶって、そして今度は深く頷いた。言うべきか悩んでいた事の様だ。
G「・・・・・実は先週のスウェットロッジでこんなメッセージを受け取った。近々外国人が俺を尋ねてくるだろうというね。
だから俺はベティ(B&Bのオーナー)から電話を貰った時すぐに分かった。その時が来たのだと」 だ
から早く来て待っていてくれたのだ。
ベティも、現地のドライバーさんも驚くほど、約束の時間よりも早く来て、私が来るのを待っていたその理由がこれだった。 必然というものなのか、天地と繋がる儀式を行う彼等(全てのネイティヴではないが)は大抵予言じみたことを言ったりするがそれが妙に当たる。こういう経験をするのは、なにも私に限ったことではない。
その後も話は続いた。
ヴィジョンに現れた人物が何を意味するのか、彼なりの考察。そして狼の意味。
驚くべき彼の血統。
さらにホワイトバッファローカーフウーマンとピースパイプ、スウェットロッジ、ヴィジョンクエスト、サンダンスなど彼等の重要な神話や儀式の様々について教えてくれた。 異国の私になぜここまでしてくれるのか・・・それは彼の、会うべくして私に会っているという確信からだなのだろう。
ーーーーーーーーーー
ここに驚くべき彼の血統と書いてあるのは本当に私にとって驚くべきことで、それはまた後々述べるとして。
居留区でのメディスンマンとのファーストコンタクトとなったこの時、当然私はスケッチを見せて、なぜここに来たのかを伝えたわけです。
ドライバーさんは通訳もしてくれましたが、詳しい状況までは理解することができないわけで、助け舟を出してくれつつ、私が拙い英語と電子辞書、ジェスチャーなどで伝えました。
ーーーーーーーーーー
私の拙い英語で必死に伝えた内容にグレイ・グラスは頷いて、しばらくじっと私のスケッチを見つめていた。何度も何度も頷いて、まるでスケッチに描いた人物と話をしているのではないかと思うくらい見つめ、やがてこう言った。 以下は私とグレイ・グラスとの会話だ。
G「この男はラコタ族の人間だ。持っているものは 杖ではなく、パイプで間違いないだろう」
私「なぜラコタだと?パイプ?」
G「なぜ?・・・それぞれ部族には象徴する色を持っている。我々ラコタ族は『赤』が象徴の色だ。居留区の旗も赤い。この男が身に付けているローブも赤だ。伝統衣装として赤いローブや赤い褌などを身に付けるのがラコタだ。そしてこのパイプだ。ラコタ族は儀式などでパイプを使う。そもそもパイプはラコタ族に授けられたラコタ族発祥の儀式だからね。すべての部族がパイプを使うとは限らない。そしてこの男がどうなったんだ?」
ーーーーーーーーーー
この時まで、杖だと思っていたものが杖ではなかったのです。
アリゾナでシャーマンに杖を作れと言われてピンと来なかったのはそういうことだったのか・・・。
セイクレッドピースパイプはホワイトバッファローカーフウーマンによってラコタ族の祖先に授けられたもの。
今のネイティヴアメリカンの儀式として有名なもののほとんどがラコタ族発のものです。
ーーーーーーーーーー
グレイ・グラスはまた黙って静かにスケッチを眺めた。
G「・・・恐らく、1800年代だろう。この頃は白人との対立がよく起きていた・・・あなたは彼から何かを託されている。パイプを受け取るということは・・・それは我々にとって非常に意義深いことだ。ホワイトバッファロー・カーフ・ウーマンの話を知っているか?」
私「知ってる」
*この時点ではラコタ大学教授から取り寄せた教科書で伝承と哲学をある程度学んではいたので話自体は知っていました。
G「なら分かるだろう」
私「それではやはりこの男の人はラコタの人だったの?」
グレイ・グラスは頷いた。そして、ホワイトバッファロー・カーフ・ウーマンと関係がある可能性や、それが白い狼という象徴として出て来ている(つまり、実際の狼というよりは、象徴としての可能性)を示唆した。
そう言われて驚かないはずはない。 さもホワイトバッファロー・カーフ・ウーマンが私をここに導いたとでも言いたげな状況になってきた。
ーーーーーーーーーー中略
私はほっとした。赤のローブとパイプによってこの人がラコタ族であることが分かっただけでもほっとする。
もし違えばもっと北へと行かなければならなかった。ひょっとしたらアラスカまで行かなければならないのかと思うこともあったからだ。 そして彼はこう言った。
G「俺はグレートスピリット(上を見ながら)のメッセージを受け取る役割をする。だから今、俺の考えを言ったとしても、それが正しいとは限らない。間違いなくこの男はラコタ族だというのは分かるが・・・詳しいことはスウェットロッジと・・・それでも分からなければヴィジョンクエストをしなければ。俺もだが・・・あなたの答えはあなた自身にある・・・」
やはりそうきたか。ホワイト・サンダーと同じだ。
答えは結局自分の中にある。
私がこれらのことをしなければ私に本当の答えは出てここないということをグレイ・グラスも言うのだろう・・・ ほいほいと答えを言ってくれるよりも真実みがある。
メディスンマンはグレートスピリットの道具として授けられた才能を使う。 『グレートスピリットのメッセージではなく、自分の考えを言うのならそれは正しいとは限らない』とは正直な人だ。
私「私はかつて何度かスウェットロッジをした時に、それまで見たものがただの妄想でなく、ヴィジョンであると確信を持った。4回も出てきたのだし。・・・もし、この答えを、あなたが再度スウェットロッジとヴィジョンクエストをしなければ得られないと言うなら待つし、私がそれをやって得られるならやりたい」
ーーーーーーーーーー
このようにして私は彼らの世界へとより深く入っていくのでした。
ちなみに、グレイグラスは自らをメディスンマンとは名乗りませんでした、
B&Bのオーナーからはメディスンマンだと聞いていましたが、実のところ彼は彼がどんなことをしているかを私が尋ねた時、「グレートスピリットからの意志の元で何かを行うため、自分から何かをしているわけではない」と言いました。
それはホワイトサンダーから
「自らメディシスンマンと名乗る者、金銭を要求する者は偽物だから気をつけろ」
と言われていたので、一応警戒はしていたのでした。
グレイグラスの尊厳のために書いておきますが、彼が自らメディスンマンであると名乗ったわけではなく、私が「メディシンマンなんですね?」となかばしつこく追求したため、自分のところに来る人々によって「まぁそう呼ばれている」的な答えが返ってきました。
実際にこの土地において誰もが認めるメディスンマンであることは確かです。
翌日、メディスンマンとの対話についてホワイトサンダーに伝えると、彼は大きくうなづいてこう言ったのです。
「そうか。では、あるところに連れて行こう・・・」
それはサンダンスが行われる場所。聖なる場所で、観光客が出入りできない場所でした。そこでも驚くべき出会いがあったのですが・・・
ホワイトサンダーは私が出会ったグレイグラスを知っていました。本物であることも。
彼はそうやって、私が自然とどんな人を引き寄せて何を起こすのかをずっと観察していたのです。
間違いのない人物なら、間違いのない人と出会い、間違いのない出来事が起きる。
それは天の采配、グレートスピリットと母なる大地のみぞ知る。その確かな導きを引き起こせるものを持っているなら・・・そんな風に見つめていたのかもしれません。
その後も話は続きます。
《聖なる場所での遭遇》 へ つづく
過去記事 カテゴリー『マイストーリー』
6:「ウォナビー」と一緒にしないで。 そして 《2度目のヴィジョン》
〈番外〉7つの方位・4つの王国。私の提供するもののホーリーコンセプト
4:最初のヴィジョン
3:アロマにもオリジナリティを追求するようになった:インディアンのヴィジョン前夜
2:笑顔ができず人と目が合わせられなかった私がセラピストになった:2
1:笑顔ができず人と目が合わせられなかった私がセラピストになった:1
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