2017.02.05

最初のヴィジョン

最初に書いておきますが、私がネイティヴアメリカンのヴィジョンを見た時、取り立ててインディアンに詳しいわけでもなかったですし、むしろ、好きとか嫌いとか考えたこともありませんでした。
それまで専門学校のカリキュラムのためにアメリカ（ワシントン州）へホームステイでいくことこそあれ、子供の頃から東西ヨーロッパの古い時代のことに傾向していた私は、アメリカなんて興味の対象に上がったのは音楽シーンだけでした。

さて、一般に広くアロマセラピーが認知されるようになるにつれ、
アロマセラピーの業界における私の啓蒙活動はオリジナリティを持つ方向へとシフトしていきました。
やがて、もっと自分の強みを活かしていくため、子供の頃から親しんでいた魔術的な事、
エネルギーワークや天然石を織り交ぜたセラピーや講座作りを始めるようになります。

アロマセラピー、レイキ、子供の頃から慣れ親しんだ天然石やそのヒーリングパワー、オーラや霊視、魔女学校の通信教育で学んだこと・・・いろいろなことを織り交ぜたものができるんじゃないか？
そんなことを考えていた矢先のことです。

インディアン居留区に至るまでの奇跡的な道のり。それが突然始まりました。

・・・・・というのを前回の終わりに書きました。

茶道・華道教室に生まれ、植物と香に囲まれた生活をしていた私ですが、成長するにつれて五感や繊細な感性なんてものはどうでもいいというか、そんなことすら考えないで生きるようになります。

そもそも「繊細」とか「感受性」という言葉は、音楽関係の仕事でミュージシャンのライブ評やアルバム評を書くときに使う単語として出て来ても、自分にそれが属しているような感覚は一切なし。

外の世界の言葉だったわけです。
もっと言ってしまうと、境界線が無かったためその世界が自分の世界に同化してしまっているので、そういう意味ではあらゆる状態を受け取ってしまうにもかかわらず、思考・知性の方では完全に切り離しているというか。
ボディ・マインド・スピリットの乖離というのは恐ろしいものですね。

マイストーリー1話からのリンク

※笑顔ができず人と目が合わせられなかった私がセラピストになった:１

※笑顔ができず人と目が合わせられなかった私がセラピストになった:2

※アロマにもオリジナリティを追求するようになった：インディアンのヴィジョン前夜

さてさて、そんな若かりし頃を経てアロマセラピーやエネルギーワーク、心理の世界に没頭し、ボディ・マインド・スピリットの統合や自他の境界線もそこそこわかるようになって来た頃です。
自分ではまだ考えたこともなかった生来のシャーマン性質がむくむくと顔を持ち上げて来たわけです。

シャーマンとは、すべてと繋がる存在で、それは集合無意識や人類意識のような感じだったり、次元を超えて繋がったりします。。
シャーマニックな仕事の中にはボディ・マインド・スピリットをあえて分離する必要のあるものもあります（あの世の仕事だったりする時）、だからこそ一層に自他の境界線や統合の学びが重くのしかかるところがあります。

それは境界性人格障害とはまったく異なりますが、そうなってしまいそうな経験を人生の中で背負う可能性はあると思います。私の場合はアスペルガーの二次障害として境界性人格障害を併発していた可能性は十分に考えられますが。
つまり準備ができていないのに身の丈を超えたことが起きたら危険ですので、そのときできる範囲でしか行えません。なぜならシャーマンにまつわることは、自分の意思にかかわらず、半ば抗うことのできないほどにといっていいほどのことが起きます。

一歩一歩徐々に何かが動き出していく。そんなタイミングが訪れようとしていました。

アロマセラピーを通して、五感の鋭敏さを取り戻していく過程で、子供のころに慣れ親しんでいた感覚が突如として目を覚まし出してしばらくして起きたのがネイティヴアメリカンのヴィジョンだったという点においては、やはり五感の活性によって成長過程で封印していたものを解き放っていくきっかけになったのだと思われます。
最初に記述したように、私がネイティヴアメリカンのヴィジョンを見た時、
取り立ててインディアンに詳しいわけでもなかったですし、
むしろ、好きとか嫌いとか考えたこともありませんでした。

小さな頃から洋楽は好きでしたから、その中でアメリカのミュージシャンで好きなのはたくさんあります。
父はオールディーズをよく聞いていましたし、歌番組を見るのが禁止の家でしたから、邦楽をろくに知らずに育った私はラジオでJOURNEY、TOTO、KISS、VAN HALENなどを好んで聞いていました。
先述の通り音楽関係の仕事をしていましたので、音楽に関しての話もつきませんからそれはまたいずれとして・・・。

アメリカのものが嫌いではありませんでしたが、行きたいと思うほど興味はありませんでした。
世界の七不思議や古代遺跡、長い歴史、ケルト、ヴァイキング、キリスト教神秘主義、魔術、錬金術、タロット、アトランティス、といったものに子供の頃から傾向していた私は、もっぱらヨーロッパ方面が常に興味の対象だったからです。

インディアンは昔、映画で見たことがある程度で知っていました。
ウェスタンスタイルファッションは好きでしたから、西部劇は見ていましたので・・・。

という程度です。
この時代のアメリカのどこにインディアンがいて暮らしているのかなんて全く知りません。
まさか頭に羽をつけて生活している？　それとも絶滅してしまった？
日本人が未だに丁髷姿で生活していると勘違いしている外国人と同じような認識です。

そんな状況にもかかわらず、のちに３度にわたって合計４回。
はっきりとした感触すら感じるほどのヴィジョンを見ることになります。

ふと夜中に目が覚めて《しかし夢かもしれない》頭の右側に気配を感じました。
カサカサという音がした気がしたのです。
部屋は隣の建物の電気などもあって月明かりが差し込む程度に明るかったと思います。
上を向いて寝ていたのですが、寝ぼけているのか体が思うように動かなくて、かろうじて首を右側へ向けることができたんですね。
するとそこに色黒で背の高い、頭からびっしりと羽根飾りをつけた『インディアンの男性』がこちらを見下ろして立っていました。

わけのわからない状況にぎょっとはしたのですが、体が動かないのと、不思議と怖いとか嫌な感じがしません。
彼は、私の知らない言語でしたが、なぜか意味がわかっていました。
「大自然と共にありたいのなら、そうしなさい」
そんな感じの言葉でした。
たいしてすごいことを言っているわけではないです。

彼はそのまま真っ直ぐ歩いて行きました。その先は部屋の入り口です。
寝る前に閉じたはずのドアが半分くらい開いてて、でも半分はドアに吸い込まれるような感じで彼は消えていきました。

その後を追うように、大きな白い狼が現れました。
背中がうっすらとグレーがかっている大きな白い狼。
大きく見えたのはそもそもその狼が自分の知っている大型犬より大きかったからでしょう。
狼だったら普通のサイズだったのかもしれません。

ドッドッドッドって重い振動と足音で歩いて行きました。
今しがたネイティヴアメリカンの男性が消えて行った方向へ。

そしてまた扉に吸収されるように消えていきます。

やがて狼の遠吠えが聞こえてきて・・・・・その先の記憶はありません。
気がついたら朝を迎えていました。